2023.09.5 | コラム |
今回は、浄土真宗における『法名』についてお話させていただきます。
浄土真宗では『法名』といい、生前に本山にて『帰敬式』にて授かります。
死後であれば菩提寺の僧侶から授かります。
浄土真宗や日蓮宗以外では『戒名』や日蓮宗では『法号』となります。
さて、そんな法名ですが 釋の文字が必ず用いられます。
釋〇〇という風に釋+2文字で表すのが基本になります。釋とはお釈迦様の弟子にという意味があり
一番上に『釋』の文字が入ることで『お釈迦様の弟子の〇〇』という事になるのです。
以前は男性であれば、釋〇〇 女性であれば釋尼〇〇と表記されていましたが、
浄土真宗では1986年より『尼』を廃止しているとの事。その理由がこの『尼』を差別的な意味として
捉えるかの問題ではないでしょうか。
宗祖親鸞聖人は、信心の世界には「男女・老少をいはず」と示され男女の「性」を超えて同じ人間として生きることが大切との教えから「尼」を付ける事を考え直したとの事です。
※真宗大谷派や真宗各派では現在も使用されています。
しかし、実際葬儀をしていく中で私も上記の事に疑問を持ち浄土真宗・真宗大谷派・真宗各派のお寺に聞いたことがあります。色々な考えがある中で、性別は必ずあるものなので位牌を見たときに男女どちらかわかるようにしているとの意見もありました。
確かに納得する思いもある中で現在のLGBTQのような人にはどうなるのだろうと思ったのも事実。
皆さんはどう思われるでしょうか。それは現在において、とても難しい問題です。
しかしそんな問題を約850年前に活躍された親鸞聖人の示した教えに基づき1986年に『尼』を廃止した事に
今回調べてみて驚きを感じました。
ちなみにGoogleで『お釈迦様 性別』と検索すると、『男女を超えた存在 釈迦如来をはじめ、すべての如来像は男性でもなく、女性でもない』とトップページに出てきました。
時代は進むほど志向と価値観は原初に戻るそんな気も致します。
他愛もない独り言と読んでいただけたら幸いです。
かずやコスメディア 東 政哉