2024.10.29 | コラム |
今年もハロウィンの季節がやってきました。
街中はカボチャやおばけのモチーフで飾り付けられ、商店街や商業施設では魔女やおばけに
好きなアニメのコスプレなど仮装をした子供たちの微笑ましい光景を目にする季節。
そんな世界中で親しまれているハロウィンの由来をご存知でしょうか?
本来のハロウィンは、死者をこの世に迎える行事ということ。
遡れば、約2000年前のヨーロッパの古代ケルト民族の儀式、サウィン祭が起源とされています。
古代ケルトでは、11月1日に暦が変わるので、10月31日に収穫と豊穣を祝うと共に
死者(先祖)をこの世に迎え入れる行事として始まりました。
農耕法畜に生きるケルト人は一年を夏と冬に分けて考えていました。
サウィンとは、『夏の終わり』を意味する言葉です。
つまり、ケルト人の一年は冬の到来から始まるのですが、これからやってくる極寒の冬はまさに
餓死や凍死など現実的な『死』が目の前に現れる季節。
ケルト人は自然崇拝の多神教で霊魂は不滅で必ず再生すると信じていたそうです。
だからこそサウィン祭では死者の霊が魂となり現世に帰ってくるものとし、かがり火を焚き
お供え物でもてなし、夏の収穫を感謝し、これからの厳しい冬の平穏を祈ったそうです。
しかし、死者や先祖に便乗し悪魔や魔女がやってきて災いをもたらすとも考えられ、そのために
仮面や変装し人間だと気づかれないようにして身を守った。
これが現在のハロウィンの仮装の起源ともいわれています。
約2000年前のサウィン祭…考えると日本の死者供養文化に似ているように感じます。
8月の季節の変わり目、家先にかがり火を焚き死者や先祖の霊を迎え入れ供養する。
調べていくうちに、日本の大晦日やお盆そしてお彼岸に通じる様に感じませんか?
ケルト人から始まったサウィン祭はキリスト教の出現により少しずつ変わり
『万聖節』=『All Hallows Day』と呼ばれハロウウズ・イブ(万聖節の前日)が転じて
ハロウィンと呼ばれるようになりました。
宗教改革などで一度は廃れたハロウィン文化ですが海を渡りアメリカで北欧の民間伝承として
広く普及しアメリカ全土に広がり、近年のグローバル化と伴い世界に再度広がりました。
日本でも各地で行われ誰もが知るイベント『ハロウィン』
歴史を見るとそこには遠く離れ別々の場所と時代で生きたケルト人と日本人の不思議な共通点を
感じたのではないでしょうか。
個人の見解と思い頭の片隅に留めて頂けたら幸いです。
かずやコスメディア 東 政哉