お知らせ

2023.08.11コラム

かずやコスメディアの 竹下です。

仏教の葬儀で不祝儀袋の表書きをどのように書けば良いか迷ったことがある方もおられると思います。仏教葬儀の場合、四十九日までは「御霊前」、四十九日後は「御佛前」と書くのが正しいとされ極端にはどの宗教でも葬儀の際の不祝儀袋には「御霊前」と書いてよいとの説明が多いようですが、これは俗説で誤りです。

浄土真宗では亡くなった方は即浄土に往生したのであり「霊」は認めていないので「御霊前」は用いません。

相手方の宗教が仏教であるとわかっていれば、宗派を問わず香を供える意味合いを持つ「御香典」の表書きが良いかもしれません。

100円均一のお店で不祝儀袋に印刷してある表書きで「御香奠」と「御香典」の二種類があります。どちらも同じ意味で使われますし同じ読み方をします。

ここで「典」と「奠」漢字の持つ意味合いを見てみると!

「典」は尊いもの有り難いという意味合いや模範となる書物(辞典)や(経典)などに用いられる漢字になります。

「奠」は神仏に供えて奉るという意味合いの漢字になります。

「奠」の漢字は常用漢字ではなく、あまり知られていないため「香典」と書くことが多くなっているようですが、このような漢字の意味合いを調べてみると本来は「御香典」ではなく「御香奠」と書くのが正式になります。

不祝儀袋の水引の上部に表書き、下に自分の氏名を書きます。連名の場合は袋の中心から目上の順に書きます。

中袋の表には金額を記載します、金額の数字には漢数字を使用します。ただし中袋によっては、金額を書く欄がすでに横書き用になっている品もあります。この場合は「1」「2」などのアラビア数字を用いましょう。裏に住所と氏名を記載します。

外袋を書く時には一般的に使う墨で書かず薄墨で書きます。これには「涙がこぼれ落ちて墨が薄まってしまった」という意味が込められ、お悔やみの気持ちを表すために用いられます。現在では弔事用の薄墨の筆ペンも販売されているので活用してください。

お通夜やご葬儀に参列する際に不安を覚える方は少なくないと思います。 

不祝儀袋の書き方など最低限のマナーは知っておきたいものです。

ご遺族への気遣いや故人様を弔う気持ちを大切に香奠の準備をしましょう。  合掌


2023.07.26コラム

念ずれば花ひらく

苦しいとき

母がいつも口にしていた

このことばを

わたしもいつのころからか

となえるようになった

そうしてそのたび

わたしの花がふしぎと

ひとつひとつ

ひらいていった

 

 こちらの詩は仏教詩人である坂村真民(さかむらしんみん)師の代表作の一つであり、よく引用もされる為、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

 時宗の開祖である一遍上人の生き方に共感し、癒しの詩人と言われる坂村真民師は、熊本県荒尾市のご出身。かずや本社があります玉名中学校(現在の玉名高校)を経て、三重県にある神宮皇學館(現在の皇學館大学)に進み、朝鮮に渡られた後、愛媛県砥部町にて国語教師として教鞭をとりつつ詩作に打ち込まれたそうです。

 

現在ではこの詩を愛した有志により、母校である玉名高校の校庭をはじめ国内外の様々な場所に詩碑が建立されています。

 

 この詩の「念ずれば花ひらく」とは、ただ念じることで願いが叶うということではありません。曹洞宗の開祖である道元禅師の言葉に「花開けば必ず真実を結ぶ」というものがあります。この言葉は、求道の心を起こせば必ず悟りを結ぶことができるという意味ですが、言い換えれば何事も一生懸命取り組めば必ず成果を得ることができるということかと思います。坂村真民師の詩と併せれば、「念」とは文字通りいつも心にあり、目標を叶える原動力のこと。目標という種を蒔き、水や肥料を与える様に努力し、やがて成就という名のきれいな花が咲き実を結ぶ、坂村真民師、道元禅師ともに、何事も一生懸命努力することで夢や目標が叶うということを伝えたいのではないでしょうか。

 

 葬儀の際、大小様々なたくさんのお花に囲まれる故人様を目にする度に両師の詩や言葉が思い浮かび、たゆまぬ努力を重ねた結果たくさんの花を咲かせた生涯だったのではないかと思いを馳せるばかりです。プランニングから司会進行と、故人様の最期に携わさせていただく私自身、日頃より努力を惜しまず「念ずれば花ひらく」の気持ちで今後も誠心誠意、努めて参りたいと存じます。  合掌

 

かずやコスメディア 田中丈詠


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