2022.03.1 | コラム |
骨上げとは、火葬後に遺骨を骨壺に納める儀式 収骨・拾骨とも言います。
遺族や親族によって一つ一つ丁寧に骨を拾い上げ納めていく。
これは、日本独自の文化です。
隣国の韓国や中国は骨壺に納めるのは一緒ですが、火葬場の職員が骨壺に納め遺族に渡します。
また、インドでは火葬後はガンジス川に遺灰等を流し自然に還します。
では、日本で骨上げを行う意味とはなんでしょうか?
それは、「あの世への橋渡し」
お骨を拾い上げる際には長さの違う箸を使い骨壺に納める。これを箸渡しといいます。
人は亡くなると三途の川を渡ると昔から言われています。
箸渡しには、この世からあの世へと故人の魂の橋渡しをするという意味が込められているのです。
死者であってもみんなでサポートして送り出す。日本の助け合いの歴史と風土が生み出した文化かもしれません。
そして、日本語には「はし」には「箸」と「橋」二つの意味があります。
日本語特有の同音異義語を使った日本独自の文化とも言えるでしょう。
子供のころ親や祖父母から、食事中に箸の使い方で怒られた経験は誰にでもあると思います。
「箸渡し」や「合せ箸」など取ってもらったおかずをそのまま箸で取ろうとしたら怒られたものです。
私自身も、子供たちを叱ったものです。現在進行形で教育中ですが…
それは、箸同士で食べ物を渡し合うさまが骨上げを連想させ意味嫌われているから。
箸の作法に見られる禁忌は日本独自の死生観によるものではないでしょうか。
古来より日本人はその生活の中に「死」という概念を忌み嫌いつつも尊厳してきた歴史があります。
骨上げという儀式には、たやすいことでは無いですが、死を見つめそして心を切り替えて日常に戻る
ためにも大切な儀式です。そして、これから先も絶える事のない文化。
今後、食事のとき子供たちに注意し叱るだけでなく、教育としてお役に立てていただけたら幸いです。
かずやコスメディア 東