2022.03.9 | コラム |
「これより、霊柩車は○○火葬場へと参ります。どうぞご参列の皆さま、合掌にてお見送りをお願い致します。」
葬儀も終わり、最期のお見送り、霊柩車はクラクションを鳴らしたあと、火葬場へ・・・
葬儀の最後には見慣れた、聞きなれた光景ですが、あの「クラクション」の意味をご存知の方は多くはいらっしゃらないと思います。諸説ございますが今回はそのクラクションのお話しをさせていただきます。
一番の意味は「故人様を弔う」なのです。参列者は合掌、黙とうをして故人様をお見送りなされます。クラクションもそれに併せて故人様を弔っていると考えられています。
故人様が極楽浄土への旅立ちにあたり、道中の邪を払うという意味も近しい解釈です。またシンプルに霊柩車が見えない方にも出棺を知らせるための合図の意味もあるかと思います。
しかしクラクションの音は非常に大きいです。そしてその大きい音を不快に感じる方もいるでしょう。近年は出棺の際にクラクションを鳴らさない選択をする人が増えています。斎場が住宅地の中や病院の近くにあるケースも多いという状況もあります。また家族葬が増えており、ひっそりと行いたいという考えからも、クラクションを鳴らさなくなった原因の一つと言えるでしょう。
冠婚葬祭には地域の風習、昔からの迷信が根強く残っています。
「不幸が身に付く」の語呂合わせから「七七日忌がミツキ(三月)にまたがるといけない」
「火葬場の帰り道は来た道とは違う道で」
(霊が自分の家までの帰り道をわからなくする為)
等々数多くありますが、私の個人的意見ではありますが、風習、迷信にはとらわれず、送られるその人の事を思い、その人が望むであろう送り方をしてあげる事こそが何よりのご供養になるのではないでしょうか?
かずやコスメディア原田謙二郎