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2024.03.20コラム

春の足音を感じ…暖かな日を感じる事が多くなった今日この頃。

皆様はどのようにお過ごしでしょうか?

春は一般的に卒業式や入学式等があり、出会いと別れの季節です。

であれば、それに相応しい…人はどのような最後を迎えるべきかを描いた「龍が如く8」のお話をさせて頂きます。

龍が如くとは、ゲーム市場初とも言えるヤクザを題材にしたゲームであり、2005年に第一作目が発売されて以降、次々と続編が発売された人気作です。

 

今回スポットを当てるのは、その龍が如くシリーズの主人公「桐生一馬」についてです。

桐生一馬は養父の手助けをしたいという理由からヤクザになりましたが、紆余曲折を経て、愛した女性が残した、大切な一人娘を守り育てる為に、ヤクザを辞めて堅気となります。

その後は平穏な生活が……とはならず、時にヤクザとして事件に巻き込まれ、時に堅気として子育てに勤しむ道を歩んできました。

しかし続く「龍が如く8」では、なんと桐生一馬は癌に侵され、余命は約半年と驚愕の事実が判明します。

作中ではもう自分が助かる事は無いと、少々自暴自棄なっていた桐生一馬。

 

そんな中、元看護士の仲間が提案してくれたのが「エンディングノート」の作成でした。

エンディングノートは主に自分の基本情報、遺書の有無、財産について、お墓や埋葬、医療や介護の希望等が書かれる事が多いですが、

今回桐生一馬が書いた物はそう言った物ではなく、病気で亡くなる前に自身がやりたい事を、思いつく限り書いたのです。

お気に入りの寿司屋で、元ヤクザで強面だからと気にして食べられなかった玉子を、腹いっぱいに食べたい―

カラオケで熱唱したい―

好きなお酒を好きなだけ―

若者に流行りのスイーツ?を食べてみたい―

 

とにかく自分の希望のありったけ書き、可能な物から順に叶えていきました。

すると悪かった顔色が多少なりとも良くなり、次の欲が出てきました。それは今までお世話になった人や、疎遠になっている友人に会いたいという欲でした。

桐生一馬は「龍が如く8」では55歳です。その人生の中で東京・大阪・広島・沖縄・福岡等多くの地を巡り、たくさんの方々と縁を結びました。

一時期働いていたタクシー会社の社長。

自身で経営していた孤児院の孤児達。

戦友とも言える金貸しや刑事。

そう言った人達の現状や、彼等の桐生一馬への想いを聞いている内に、桐生一馬は遂に最後まで病気と闘う事を決意したのです。

 

「龍が如く8」のラストシーンでは、改めて病気と闘う為に、放射線治療室に入る姿が映って終わりとなったので、

残念ながら闘病の結果を我々プレイヤーが知る事が出来なかったですが、続編を楽しみにしたい思います。

さて最後に振り返ると、今回の物語のキーは、やはりエンディングノートの存在だったと思われます。

やはり自身の状況を紙等に書いてみる事は、非常に大切だと感じます。

実際、桐生一馬が医者から余命を宣告されても、特に動く事はしませんでした。

自身の終わりを自覚しても、何かをしようとは思いも付かなかったのです。

 

皆さんも自身の望みや展望等を紙に書いてみるのも、良いかも知れません。エンディングノートや余命等に関わらず自らの願いを書く事は、決して無駄な事ではないのですから。

 

最後に私が特に感動した、桐生一馬の心を動かしたシーンからセリフを抜粋して終わりたいと思います。

 

刑事「どんな病気だろうが……お前は受け入れすぎているよ。悟ったような顔して、死ぬことを怖がってねえ。けどな、最初から勝てねえと決めてかかるのは……

どうも俺の知ってるお前じゃない。勝ち目のない戦いでも、前に進み続けるのが堂島の龍じゃねえか……!病気と闘って勝つ確率は何パーセントだ……?

ゼロよりはほんの少しでも高いはずだぜ」

 

桐生「そうだな……たしかにそうだ」

 

刑事「この何日かで昔のお前を知る連中と何人も会った。みんな、お前の戦う背中を目に焼き付けたろ?人生のつらい時もそいつを思い出す事で、自分を奮い立たせてたんだよ。

彼らはこの先もきっと、登りのきつい坂道を前に足を動かす事をためらう場面がくる。そんな時にもし……桐生一馬が「死という壁」にさえ立ち向かったと聞いたら?きっと勇気をもらえるはずだ。

お前にはそうやって周りを励ます力がある。いや……戦い続けるのは、今までずっと「強さ」を示してきた者の義務じゃねえのか?」

 

桐生「俺はそこまで言われるほど強くねえよ。刑事さん……あんた俺を買いかぶりすぎだ」

 

刑事「そんな弱弱しい声出したって無駄だ。……俺はお前を一番長いこと間近で見てきた。お前が並みの男だと思っていたら、こんな無茶言わずにそっと冥土に見送っているとこだったよ。だけどな……

お前の事を……そうやすやすと諦められねえ。なんせ俺にとってお前は……人生で一番の親友だ」

 

 

かずやコスメディア 高木


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