涅槃会(ねはんえ)ってなんでしょう?
早いもので2月が過ぎて行きます。2月と言えば節分ですね。私は節分は2月3日と思い込んでました。今年の節分が2月2日だったので戸惑ってしまいました。先日とあるコンビニの店長さんの話しを耳にしました。「毎年10月のハロウィンから3月のホワイトデーまでイベント続きで大変です」と嘆いておられました。確かに御歳暮、クリスマス、年末年始のお節、節分の恵方巻き、バレンタインデー、ホワイトデーとイベントが目白押しですね。
2月の主な行事としては、節分、立春、建国記念日、涅槃会(ねはんえ)などがありますが特に涅槃会(ねはんえ)は意外に馴染みが薄い言葉かもしれません。
しかし 涅槃会は仏教において特に重要な日です。お釈迦様の誕生日である灌仏会(かんぶつえ、4月8日)、お釈迦様が悟りを開いた日である成道会(じょうどうえ、12月8日)と合わせて三大法会と呼ばれています。仏教の創始者である釈迦の入滅(亡くなった日)を記念する法会です。多くの寺院では2月15日前後に行われ(旧暦では3月15日頃行うこともあります)釈迦の涅槃像や涅槃図が公開されたり、法要が営まれたりします。
涅槃図にはまず中心に穏やかな表情で横たわるお釈迦様の姿があります。北に頭を向け、右脇を下にし、西の方向を向いています。

亡くなった人の頭を北に向けて寝かせる風習は、北枕と言われお釈迦様の様子が元となっています。
その周囲では、お釈迦様の弟子たちが悲しみに暮れています。その他牛、象、猿などたくさんの動物たちも悲しんでいます。その周りには沙羅双樹(さらそうじゅ)という木がありますが、数本あるうちの半分は白く枯れています。植物もお釈迦様の死を悼んでいるという意味です。一方、花が咲いている沙羅双樹もあります。こちらは「お釈迦様の教えは色あせない」という意味を表しています。
「涅槃」はもともと、「煩悩の火が吹き消された状態」という意味の言葉でした。ここから派生して、涅槃とは2つあり1つ目は、「煩悩が消えた悟りの状態」という意味。そして2つ目は、「肉体の死により真の悟りに至った状態」という意味です。
お釈迦様は、35歳のときに悟りを開き、この世に生きている以上、食事は必要でありこれでは、本当にすべての煩悩が消えたとは言えません。
80歳で入滅した(亡くなった)あとは肉体がなくなり、食欲も消えます。すべての煩悩が消え、お釈迦様は真の悟りに至りました。
涅槃会における「涅槃」は、「お釈迦様が入滅により真の悟りに至った」と言う意味を持っています。
お釈迦様は80歳で亡くなるまでの間、さまざまな説法を行ってきました。
亡くなる直前にも、弟子たちに説いています。
師(お釈迦様)が滅んだからといって、今まで説いてきたことが無くなるわけではない。これからも自分自身をよりどころとして師の教えを大切に守りなさい。
この世に生まれたものは、いつか必ず滅びる。師(お釈迦様)も例外ではない。最後まで精進しなさい。
お釈迦様は自身の死が近づいても、自らの生と死を見せることで、最後の教えを弟子に伝えました。この最後の説法を知ると、涅槃会はお釈迦様を悼むだけでなく、命のつながりについて考える日だと感じるのではないでしょうか?
かずやコスメディア 川橋