2023.01.28 | コラム |
寒さ厳しき折、皆様いかがお過ごしでしょうか。年が明け、2回目のコラム更新となりました。
かずや本社のある熊本県玉名市では、浄土真宗 本願寺派(お西)の寺院が多く、1月になりますとお西を主とした多くの浄土真宗の寺院で、御正忌報恩講という法要が行われています。
御正忌報恩講とは、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人のご命日(1月16日)を偲び、執り行われる法要のことで、大谷派(お東)など旧暦にあわせた11月(命日は28日)に執り行われる寺院もあります。
法要では、宗派、寺院により違いはあれど、お勤めの後にご法話(お説教)があり、仏様に関するありがたいお話を頂くこととなりますが、尊い仏様の話を中心に内容も様々で、笑い声が漏れる面白い話もあれば、しんみりとした泣けるお話もあり、時には授業の様な為になるお話だったりと、ご聴聞の方々が飽きずに楽しめる様に工夫が凝らされ、ご法話を楽しみにお参りに来られる方も少なくない様に思います。
そのご法話ですが、現在の古典芸能の一つでもある落語の起源だったことを皆様はご存知でしょうか?
さかのぼれば戦国時代、大名の話し相手でもある御伽衆が話す、面白い話・おかしい話には「落ち」があり、自身が豊臣秀吉の御伽衆でもあった僧侶が、江戸時代にそれらの話を書物にまとめたことが始まりとされています。
古くからご法話は、おかしい話やしんみりとした話をまじえつつも最後に尊い話で締めるといった、現在と変わらない飽きのこない工夫がされており、そのおかしい話の部分を進展させたものが落語という説もある様です。
以前は高座に上がりご法話を行っていた寺院は少なくない様で、最近ではめずらしく、目にされる機会はないかもしれませんが、使用される物にも共通点を見ることができます。落語の内容にもお寺や僧侶、お墓が登場する噺も少なくはなく、中には仏教のお説教の面影が見える噺もあったりと、法話と落語の間に起源を感じ取れる点が多くある様に思います。
余談ではありますが、『おてらくご』(著者 釈徹宗)という落語を収録したCD付きの本が、今より10年以上前に出版されました。
当時、私も購入させていただきましたが、法話と落語の関係性に関心を持つきっかけとなった本です。現在も販売されている様ですので、皆様もぜひ!
各ご寺院様では、御正忌報恩講にかぎらず様々なご法要でご法話(お説教)が行われております。落語に興味がある方も、そうでない方も、お寺に足を運び、仏様のお話に触れてみてはいかがでしょうか?楽しいお話の最後は「落ち」ではなく「尊い」で締めるご法話も、落語と同様に皆様が楽しめることと思います。 合掌
かずやコスメディア 田中丈詠