2024.09.21 | コラム |
ふざけたタイトルで大変申し訳ないですが、今から35年ほど前に放送されていた「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」という番組を皆様はご存知でしょうか?一定の年代以上の方からは懐かしいなどのお声をいただけることと思います。
その「邦ちゃんのやまだかつてないテレビ」は、当時人気のあった山田邦子さんを前面に押し出したテレビ番組で、所ジョージさんをはじめとした脇をかためる面々も、非常に人気の方々を起用しておりました。他にも大江千里さんや大事MANブラザーズバンドなどのミュージシャンの方も出演されており、一定期間は番組を上げてタイアップ曲をバックアップし、中でもKANさんの「愛は勝つ」は番組をきっかけに大ヒットしたようです。
このように音楽に力を入れた番組作りなのか、当時人気の女性デュオ・Winkのパロディーとして、「やまだかつてないWink」を結成し、山田邦子さん自身が歌手デビューをされました。
通称「やまかつWink」は、人気番組の企画もあってなのか発表される曲も注目され、特に「さよならだけどさよならじゃない」は社会現象を起こすほどの人気を誇っていたと記憶しています。
若干話は逸れますが、仕事柄お通夜のお席でご法話を拝聴する機会も多く、浄土真宗のお寺様がご法話の中で「倶会一処(くえいっしょ)」という言葉をよく用いられます。
言葉を調べてみると、仏説阿弥陀経の中に出てくる「倶(とも)に一つの処(ところ)で会う」というご文らしく、「阿弥陀様のお浄土でまた共に会わせていただく」という意味とのことです。言われてみると合葬墓や納骨堂などで目にされた方も少なくないのではないでしょうか。
浄土真宗では阿弥陀様のおはたらきによって、必ずお浄土で再会できるため、最後の「お別れ」という考えはないそうです。さよならを告げる告別の場で最後のお別れではない・・・「倶会一処」のお話しを伺うたびに、不謹慎ながらも「やまかつWink」の「さよならだけどさよならじゃない」の曲が脳内再生され、あらためて良い曲だと思いに耽るとともに、お浄土でまた故人様と再会できるという、遺されたご家族が安心できる浄土真宗の優しい教えに胸を打つ思いがするばかりです。
何気なく過ごしている日常の中に様々な仏教の教えに通ずる事柄があると思い、物事に対する意識を変えて日々を過ごしてみると、やまだかつてない発見があるのかもしれませんね。 合掌
かずやコスメディア 田中丈詠